【現役保育士が語る】「仕事と育児の両立」に疲れたあなたへ。完璧を目指さない、戦略的ワークライフバランスを

こころの時間

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「先生、すみません、今日もギリギリになってしまって…」

保育園に駆け込んでくるパパ、ママたち。 額には汗が滲み、息は切れている。けれど、その表情は「仕事モード」と「親モード」の間で必死に戦っています。

私は、そんな皆さんを「大丈夫ですよ、ゆっくりで」と笑顔で迎えますが、心の中では「今日も本当にお疲れ様、パパもママもすごいよー。がんばってる。」と拍手を送っています。

こんにちは。現役保育士であり、時にはベビーシッターとして各家庭のリアルを目にしている、わん子です!

今回のテーマは、永遠の課題とも言える「仕事と育児の両立・ワークライフバランス」について。

「仕事を続けるべきか悩んでいる」 「毎日が時間との戦いで、記憶がない」 「保育園からの呼び出し電話にビクビクしている」

そんな悩みを抱えるあなたへ。 教科書通りのアドバイスではなく、保育士としての視点と、数々の「上手くいっている家庭」を見てきた経験から、明日から少しだけ楽になれる「思考の整理」と「具体的なテクニック」をお伝えします。


「バランス」なんて取らなくていい。「シーソー」の法則

まず最初に、一番大事なことを言わせてください。 「ワークライフバランス」という言葉の呪縛から、一度逃げましょう。

「バランス」と聞くと、天秤のように「仕事50:育児50」で常に釣り合っている状態を想像しませんか? でも、現実はそんなに美しくありません。

優秀な親ほど「バランス」を崩している

私がシッターとしてお邪魔する、いわゆる「キャリアも育児も成功しているご家庭」。 外から見ればキラキラしていますが、中に入ると、実は驚くほど「偏って」います。

ある時は「今週は仕事!ご飯は全部お惣菜かウーバー!」と割り切り、ある時は「今週末は子どもとベッタリ、メールも見ない!」と決める。 常にバランスを取ろうとするのではなく、「今はこっち!」とシーソーのように重心を移動させているのです。

「罪悪感」は最大の無駄コスト

「仕事が忙しくて、子どもに寂しい思いをさせているかも……」 「子どもの熱で休んでばかりで、職場に申し訳ない……」

この「全方位への罪悪感」こそが、あなたのエネルギーを最も消費しています。

保育士として断言します。 お迎えに来た時のママやパパの笑顔が本物なら、子どもは大丈夫です。 「ごめんね」と言いながら抱きしめるより、「お仕事頑張ってきたよ!会いたかった!」と抱きしめる方が、子どもは100倍安心します。


時間のやりくり 〜「高密度化」と「戦略的手抜き」〜

「時間がない」は全人類共通の悩みですが、子育て世帯にとっては死活問題です。 ここでは、私が目撃してきた「時間を操る達人たち」の具体的なテクニックを紹介します。習慣化してしまえば当たり前の事なのですが、まだ気付いていなかった方は即実行を!

朝のバタバタを制する「前夜の15分」

朝の機嫌は、その日1日のクオリティを決めます。 スムーズな朝を迎えるために、達人たちは前夜に全てを終わらせています。

  • 登園バッグの準備は玄関にセット: 朝探す時間をゼロに。
  • 朝食は「悩み不要」の固定メニュー: 平日は「パン・ヨーグルト・果物」と決め打ち。栄養バランスは給食に頼ればいいのです。
  • 子どもの服は2択で: 「どっち着る?」と選ばせることで、子どものイヤイヤを回避。

家事は「80点」を目指さない。「40点」で合格

完璧主義な人ほど、育児との両立で悩みます。 私がシッターでお邪魔するお宅でも、部屋がピカピカなご家庭ばかりではありません。

  • 洗濯物は畳まない: 各人ごとのカゴに放り込むだけ。どうせ明日着ます。
  • 掃除機は週末だけ: 平日はロボット掃除機か、気になったところをコロコロするだけで充分。
  • 料理キットの活用: 献立を考える時間は「見えない家事」の最たるもの。ここをお金で解決するのは「投資」です。

「すきま時間」の魔術師になる

通勤電車、子どもの習い事の待ち時間、お湯が沸くまでの数分。 この「すきま」をどう使うかが勝負です。

おすすめは、「スマホで出来るタスク」と「PCが必要なタスク」を明確に分けておくこと。 連絡の返信、ネットスーパーの注文、スケジュール調整は全てスマホで移動中に終わらせる。 そうすれば、帰宅後の貴重な時間は「子どもと向き合う」か「PCで集中作業」のどちらかに全振りできます。


保育園は「外注先」ではなく「共同経営のパートナー」

ここからは、現役保育士としての本音をお話しします。 多くの親御さんが、保育園に対して「預かってもらっている」という遠慮を持っていますが、それはもったいない!

保育園は、あなたの子育てというプロジェクトを一緒に進める「共同経営のパートナー」です。

連絡帳は「業務日報」ではない

「熱はありません。機嫌よく食べました。」 これだけではもったいない!

連絡帳や送迎時の会話は、あなたの今の状況を伝えるツールにしてください。 「最近、仕事が繁忙期で家でイライラしがちです。園での様子はどうですか?」 そう書いてあれば、私たち保育士は「あ、お家で甘えられない分、園でたっぷり甘えさせてあげよう」と作戦を立てられます。

家庭のピンチを隠さず共有してくれる親御さんほど、私たちもサポートしやすいのです。

「お熱による呼び出し」へのメンタルハック

仕事中に鳴る保育園からの電話。心臓が止まりそうになりますよね。 「またか……」と絶望し、職場に頭を下げて早退する。

この時、どうか自分を責めないでください。 子どもが熱を出すのは、体が戦って免疫を獲得している証拠、つまり「成長」です。

職場への対応としては、普段からの「信用貯金」がモノを言います。

  • 「子どもが小さいので迷惑をかけます」と卑下するのではなく、
  • 「急な休みがある分、出勤時は人の2倍の密度で働きます」という姿勢を見せる。
  • そして、業務の「見える化」をしておき、誰でも引き継げる状態を作っておく。

これが、プロのワーキングペアレントの姿です。


仕事を続けるか迷った時 〜「辞める」の前に考えること〜

「もう限界。仕事を辞めた方が、子どものためにもいいんじゃないか……」 特に子どもが小さいうちや、「小1の壁」にぶつかった時、誰もが一度は考えます。

その悩みは「一時的なもの」か「恒久的なもの」か

今、本当に辛いですよね。でも、ちょっと待ってください。 子育てにはステージがあります。

  • 0〜2歳: 身体的な疲労がピーク。病気も多い。
  • 3〜5歳: 体力がつき、呼び出し激減。少し楽になる。
  • 小1: 帰宅時間が早まり、精神的なケアが必要になる。

今あなたが感じている「限界」は、数ヶ月後、あるいは1年後には状況が変わっている可能性が高いです。 「今の辛さ」だけで、キャリアという「長期的な資産」を手放すのはリスクがあります。

「子どもとの時間」の質を問う

「専業主婦(夫)になって、ずっと一緒にいてあげたい」と思うかもしれません。 でも、24時間一緒にいることが、必ずしも子どもにとってベストとは限りません。
私も実際の子育てでは子どもが小4くらいになるまで専業主婦でした。振り返ってみれば自己満足だけだったと感じています。

私がシッターとして見る限り、働いている親御さんは、「子どもと一緒にいられる時間が限られているからこそ、その時間を濃厚に愛そうとする」傾向があります。 限られた週末だからこその公園遊びの全力投球ぶりや、貴重な一緒に過ごす時間だからこその寝る前の絵本タイム。 「量」より「質」です。

もちろん、体や心が壊れそうなら仕事を一度休むべきです。 でも、「なんとなく罪悪感があるから」という理由なら、辞める必要はありません。 働くあなたの背中は、将来子どもにとって最高の教科書になります。


優秀な家庭が実践している「チームビルディング」

最後に、私がベビーシッターとして出会った「上手くいっている家庭」の共通点をお伝えします。 それは、「夫婦ふたりだけで育てようとしていない」ことです。

第三者の手を借りることに躊躇しない

彼らは、「他人に頼ること」を「甘え」ではなく「リスク管理」と捉えています。

  • ファミリーサポートやベビーシッターの登録: いざという時の保険。
  • 病児保育の確保: 呼び出し時の「次の手」を持っておく。
  • 家事代行: 「掃除をする時間」を「時給」で買い、その分稼ぐか休む。

「お金がかかるから……」と躊躇する気持ちも分かります。 ですが、今の数年間は「貯金ができなくても、キャリアと健康を守る時期」と割り切って投資するのも一つの戦略です。
決して損ではない有効なお金の使い方になります。

夫(パートナー)を「手伝う人」にしない

「イクメン」という言葉はもう古いです。 上手くいっている家庭は、完全に「共同責任者」です。

私が目にする優秀なパパは、最高レベルの国家資格を持って仕事をしながらも子どものお弁当を詰めたり、洗濯物も干しているのも見かけたことがあります。「ママに言われたことをやる」のではなく、「家事」を自ら狩りに行きます。 もし、パートナーの当事者意識が低いなら、一度「業務仕分け会議」を開きましょう。 感情的にならず、タスクを書き出し、ビジネスライクに分担を決めるのがコツです。


さいごに 〜あなたはもう、十分すぎるほど頑張っている〜

ここまで、たくさんの「テクニック」や「考え方」をお話ししました。 でも、一番伝えたいのはこれです。

「今日、子どもが一日無事に生きて、寝顔を見せている。」 それだけで、あなたの育児は100点満点です。

仕事のミスも、掃除していない部屋も、イライラしてしまった自分も。 全部ひっくるめて、あなたは家族を守り、社会にも貢献している。 そんな自分自身を、今夜は思いっきり褒めてあげてください。

完璧なワークライフバランスなんて、幻想です。 グラグラ揺れるシーソーの上で、時々転びそうになりながら、それでも手をつないで歩いていく。 その泥臭くて愛おしい日々こそが、振り返った時に「幸せ」と呼ばれるものなのだと思います。

保育士として、シッターとして、そして一人の応援団として。 明日も保育園の玄関で、戦う皆さんの笑顔をお待ちしています。 いってらっしゃい!


この記事を読んだあなたへのNext Step

【今すぐできるアクション】

  1. 「やらないことリスト」を1つ作る (例:平日はお風呂掃除をしない、金曜日は料理をしない、SNSをダラダラ見ない)
  2. パートナーや信頼できる人に「私、頑張ってるよね?」と聞いてみる (承認欲求ではありません。正当な評価を得るための確認です!)

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