「ダメ!」より先に、深呼吸を。ゼロ歳・1歳の「いたずら」は、実はまじめなお仕事です

子育てヒント

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保育士として毎日子どもたちと過ごしながら、ずっと気になっていることがあります。ティッシュを全部引き出したり、カーテンに潜り込んだりする子たちを見て、「ダメよ!」「それ、やめてね」と声をかける大人が、まだまだ多いということ。——でも、本当にそれでいいのかな? 今日はそんな想いを、保護者の方にも共有したくて書きました。

その「いたずら」、実は成長の証です

先日、1歳児クラスで見かけたこんな場面。ある子が一心不乱に、ティッシュを箱からひとつひとつ引き出していました。そこへ「なんとかちゃん、ダメ!いやだ、こまる。」という声。——でも、私にはそのやりとりがどうしても腑に落ちないのです。

モンテッソーリ教育の考えでは、0〜2歳ごろの子どもがこうした行動をとるのは、自分自身を育てようとする「自己教育力」が働いているから。特定の能力を爆発的に伸ばそうとする「敏感期」に基づいた、欠かせない「探検(お仕事)」なのです。

困るのはおとな都合です。子ども中心であって欲しい時期なんです。

よく見る行動実はこんな意味があります
ティッシュを全部出す指先でつまむ・引き出す動きを完成させたい。次々現れる不思議さへの好奇心。
カーテンに潜り込む「隠れても存在する」感覚を確かめたい。布の感触や、いないいないばあを楽しんでいる。
「いつもと違う」と泣く秩序の敏感期。世界のルールを必死に把握しようとしているサイン。

悪意などひとつもありません。この子たちは、ただひたすら一生懸命に、自分の世界を広げているだけなのです。

環境をつくっているのは、大人のほうです

現場にいる保育士として、正直にお伝えしたいことがあります。

0歳・1歳・2歳の子どもに対して「ダメよ」「それ嫌だ」「困る」と声をかけることは、その子の自己肯定感を少しずつ削ってしまいます。幼児クラスであれば状況の説明も意味を持ちますが、まだ言葉を受け取る力が育っていない時期の子に繰り返す否定は、ただ「拒絶された」という感覚だけを残してしまいます。

保育士として思うこと
子どもが「いたずら」をするとき、それは多くの場合、大人が「やってみたい」気持ちを満たせる環境を用意できていないというサイン。声かけより先に、大人が環境を見直してみることが大切だと思っています。

これは保護者の方を責めたいわけではまったくありません。ただ、お子さんが通う保育園で、こういった声かけが日常的に行われていないかどうか、一度気にかけてみてほしいなと思っています。子どもが安心して「探検」できる環境があるかどうか——それが、その子の育ちを大きく左右するからです。

「ダメ!」を、気持ちに寄り添う言葉に変えてみる

危険がある場合は、もちろん止める必要があります。でも、その伝え方に少し工夫をするだけで、子どもの受け取り方はがらりと変わります。

大切にしたいのは「私メッセージ」という伝え方です。「あなたがするから困る」ではなく、大人が感じていることを正直に、具体的に話しかけます。

伝え方の例
「カーテンを強く引っ張ると、上の重い棒が頭に当たってしまうかもしれない。それが心配で、先生はとても怖いのよ」

理由と気持ちをセットで伝えることで、子どもは「なぜ止められるのか」という因果関係を、少しずつ自分の中に取り込んでいきます。叱られたという記憶ではなく、理解したという体験として残るのです。

1歳だから理由を言ってもわからないだろう・・・それ、全然わかっていない大人の思い込みですよ。

「やりたい」気持ちを、安全な場所へ

子どもの探求エネルギーは、抑え込もうとすればするほど別のかたちで溢れてきます。だからこそ、「こっちで思い切りやっていいよ」と言える場所を用意することが、大人の大事な仕事です。

  • カーテンの代わりに、布をかけた机のトンネルや段ボールの家を用意する
  • ティッシュ出しの代わりに、空き箱に布を詰めた手作りおもちゃを置く
  • 水をこぼしたときは、側に雑巾を置いておいて自分で拭く体験をさせる

「こっちなら思い切りできるよ!」と笑顔で誘うだけで、子どもは叱られることなく満足のいくまで活動に集中できます。同時に、「ルールには理由がある」ということも、体で感じ取っていきます。

大人は「支配者」ではなく「援助者」

大人の役割は子どもをコントロールすることではなく、その子が環境と幸せに結びつくのを「助ける」ことですよね?

保育の現場で実感していること
何かに集中しているとき、声をかけずにそっと見守るだけで、子どもは最後までやりきって、自分でふっと満足そうな顔をします。その瞬間の顔が、何より雄弁に「育っている」ことを教えてくれます。

積み木に集中して上手に積めるようになった子、まだ集中しているのに「上手ね」なんて余計な(集中を阻害する)言葉、言っていませんか?それ、今じゃないです。

子ども同士がおもちゃの取り合いになったとき、すぐに「貸してあげなさい」と言うよりも、「○○くんも使いたかったんだね」と双方の気持ちをひとことずつ代弁するだけで、場が驚くほど落ち着くことがあります。気持ちを「わかってもらえた」と感じると、子どもは次の行動に自分から動けるようになるのです。

おわりに

「カーテンで遊ばないで!」に使っていたエネルギーを、「この子たちが安全に隠れんぼを楽しめる場所、どうつくろうか?」という工夫に変えてみる。——それだけで、保育の(育児の)毎日は少し違った色になると、私は信じています。

今日あなたのそばにいる子は、どんな能力を一生懸命に育てようとしているでしょう? その「探検」の意図に気づけたとき、騒がしい毎日は、キラキラとした成長の輝きに見えてきます。

保育園を選ぶとき、園での声かけや子どもへの関わり方を、ぜひ一度じっくり見てみてください。子どもが「ダメ」と言われ続けている場所か、「こっちでやろう」と笑顔で迎えてもらえる場所か——その違いは、きっとお子さんの毎日に、じわじわと大きく響いてくるはずです。

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