子どもとAI、保育士ママが本音で考えた
「ねえ、AIって何?」
お子さんにそう聞かれたとき、すぐに答えられましたか?
毎日AIを使っているくせに、いざ「子どもにどう説明する?」となると、言葉が出てこなくて一瞬詰まりました(笑)。
最近、こんなニュースがありました。東京都庁の1階に、AIが自動でゴミを分別してくれるリサイクルボックスが設置されたんです。スマホやモバイルバッテリーを入れると、AIが画像認識で中身を判定して、自動で仕分けしてくれる。日本初の設置で、6月26日から9月30日まで都庁第一本庁舎1階で稼働中です。
「ゴミ箱にまでAIが入る時代か……」と思いませんか。AIはもう、使うか使わないかを選べる段階ではなくなってきています。そんな時代に、子どもとAIをどう向き合わせるか。保育士として、そして毎日AIを使っている当事者として、今日は本音で話してみたいと思います。
親の5割は前向き、でも6割が「使わせ方」に悩んでいる
花まる教育研究所が2026年4月に行った調査によると、保護者の約5割が子どもの生成AI利用に「前向き」と回答しています。一方で、約6割が「使わせ方がわからない」と感じているというデータもあります。
前向きなのに、途方に暮れている。この感覚、すごくよくわかります。
タブレットやスマホのときも、同じでしたよね。「与えるべきか、まだ早いか」「時間はどう決める?」って、みんなが手探りで悩んでいた。AIも今、その段階にあります。
保育の現場でも、AIは使われはじめている
実は保育の現場にも、静かにAIの波が来ています。
2026年4月の調査では、保育士の3人に1人がすでにAIを業務に活用しているという結果が出ています。保育計画や保護者へのお知らせ文、子どもの発達記録の整理——そういった「書く仕事」にAIを使っている保育士が増えているんです。
わたし自身も、ベビーシッターの仕事でAIをよく使っています。
赤ちゃんを見ながら、音声でGeminiに話しかけて記録をとるんです。「おむつ替え14時20分」「10時に咳が出た」「体温37.2度」——こんなふうにメモを吹き込んでおくと、あとで「表にまとめて」とお願いするだけで、きれいな記録票が一瞬で完成する。それをそのまま保護者の方にお渡しできる。
生まれたばかりの赤ちゃんがいると、授乳時間や体温の記録って本当に大変なんです。専用アプリを入れなくても、AIに話しかけるだけで記録ができてしまう。これ、育児中のお母さんにも使えるやり方だと思っています。
「AIが保育士の代わりになる」のではなく、「AIが保育士をサポートする」——この感覚は、子どもとAIの付き合い方を考えるうえでも大事なヒントになると思います。
「使うかどうか」という問いは、もうずれている
AIはすでに社会のあちこちに溶け込んでいます。信号の制御も、病院の診断サポートも、宅配の効率化も——気づかないところでAIはもう当たり前の存在になっている。
そう考えると、子どもに「AIを使わせるか、使わせないか」という二択はもうズレてきていると思うんです。大切なのは、「どう使うか」を一緒に考える力をつけること。
包丁だって、ハサミだって、使い方を教えながら一緒に使っていきますよね。「危ないから全部ダメ」ではなく、「こう使うんだよ」「これはやめようね」と伝えていく。AIも、同じ感覚でいいと思っています。
年齢別のヒント——小さい子には「楽しさ」から
未就学〜小学校低学年のうちは、AIの「楽しさ」から入るのがおすすめです。
「AIに頼むと塗り絵が作れるよ」「工作の作り方を調べてみようか」「こんな絵を描いてくれたよ」——そんなふうに一緒に画面を覗きながら、不思議さを楽しむところから始めれば十分です。AIが出した答えが合っているかどうか、「本当かな?」と一緒に考える習慣もここで自然に育ちます。
今の読者のみなさんのお子さんが小学校高学年になる頃には、AIもまた違う形に進化しているはずです。今から心配しすぎなくて大丈夫。まずは「楽しいもの」として触れさせてあげてください。
「AIを疑う力」は、経験からしか生まれない
ここからが、保育士として一番伝えたいことです。
AIの情報を取捨選択する力って、実は経験値がないと本当に難しいんです。
20歳そこらでも間違える。社会に出たばかりの若い人でも、AIが自信満々に出してきた間違った情報をそのまま信じてしまうことがある。それは当然で、「これはちょっとおかしいんじゃないか」と気づくには、比べるための経験や知識が必要だから。
子どもはもっとそうです。AIが出した答えを「全部正しい」と思ってしまう——これが一番怖いことだと感じています。
逆に言うと、人生経験を積んだ大人の方がAIを使いこなせる面もある。「この情報は何かおかしい」「自分の経験と違う」と気づける感覚が、すでにある。
だから、子どもに必要なのは「AIを使わない力」じゃなくて、「AIを疑う力」なんです。AIが言っていることが全てじゃない、参考にしながら自分で考える——その姿勢を、日常の会話の中で少しずつ伝えていけるといいなと思っています。
AIは一瞬。ずっと見るものじゃない
ここで、保育士として現場で感じてきたことをひとつ。
お迎えに来る保護者の方を見ていると、ずっとスマホを見たまま廊下を歩いてくる方がいます。保育士として「あ、この方、家でもずっとこうなんだろうな」と感じることがあります。保育園でそうなら、きっと家でもそうなんです。
そういう子に限って、気を引く行動が増えてくる。いたずらが増えたり、感情の起伏が激しくなったり、お友達とのトラブルが多くなったりする。「何かしたら見てくれるかな」「泣いたら気づいてくれるかな」——子どもなりに、必死に自分を見てもらおうとしているんです。
保育園に預けている子は、昼間はずっと他人と過ごしています。夜の時間ぐらい、スマホを置いて向き合ってあげてほしい、と正直思います。
AIを使うのは一瞬です。指示を出して、答えを聞く——それだけ。ずっと画面を見続けるものじゃない。AIをうまく使って時間を作り、その時間を子どもに使う——そういう順番で考えてほしいなと思っています。
迷っているうちに、どんどん進んでいく
最後に、同じように悩んでいるお母さんたちへ。
スマホが普及したとき、迷っているうちに気づいたら子どもがスマホを使いこなしていた——そんな経験、ありませんか。AIも、同じ流れが来ていると思います。
そしてもう一つ、正直に言うと。小学生になると、親をバカにしてAIを使ってくる日が来ます(笑)。「ママ、そんなこともAIに聞けばいいじゃん」って。だからこそ、今のうちに親が先に使い慣れておくことが大事。子どもに「こういうふうに使うといいよ」「これは気をつけようね」と話せる親になるために。
まだ遅くない。難しく考えなくていいので、今日の夕ごはんをAIに聞いてみるところから始めてみてください(笑)。
完璧に理解してから教えようとしなくていい。一緒に使いながら、一緒に考えていける親でいること——それが、この時代の子どもへの一番の関わり方じゃないかな、と思っています🌿


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